【黄瀬涼太】今更ふと、あの手のひらの温かさを思い出す。【小説】

黒バス小説 黄瀬涼太 『あくまでメインは赤司君』シリーズ
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最高ランク : 169 , 更新: 2015/05/21 6:19:25

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実は赤司君と先輩様の続編です。



つまりは赤司君メイン。赤司君全く出て来ないけど、これでも赤司君メイン。





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heroine’s name:遥 Haru





「よぉ、きーせーくんっ」



昼休み。自分の席で、先生に出された課題と闘っていた俺の背中に、突然重みが加わった。



声は真横から聞こえてくる。微かに吐息が耳をくすぐる。



後ろから回ってきた手が、オレのシャーペンを持つ手を止めた。



聞こえてくるのは女子の悲鳴。



「……何か用っスか?」



顎が肩に置かれる。



遥先輩の距離感って本当に分からない。最初はこの『近さ』に焦っていたオレも、もうすっかり慣れてしまった。未だに慣れてないのは緑間っちくらいだ。



「ん? いや、別に? ただ、暇だったから遊びに来た」



悪戯っぽく笑う声。



そんな笑顔で「駄目?」なんて訊かれても、「駄目」だなんて返せるはずがない。



「駄目ではないっスけど……オレ今、勉強してるんスよ」



「うん、見れば分かる。珍しいねぇ。どうした? 熱でも出た?」



棒読みで失礼な質問をされた。ついでに少女漫画で良くある額コッツンもされた。近い近い。キスでもするの?



「先生に出された課題なんスよ。オレの成績が低いから、解いてこいって」



手元のプリントを指差す。遥先輩は「ふ~ん」とあまり興味なさげな声を零しながらやっとオレを解放してくれた。



オレの前に回った遥先輩は、前の席の椅子を引いて、後ろ向きに腰掛ける。オレの机に頬杖をついてプリントを覗き込めば、「っていうかそれ、1年の範囲じゃん」と言った。



「アンタさあ、こういうところでコピー使いなよ。……って、自分より上は無理なのか」



真っ正面から鼻で笑われる。つくづく失礼な人だ。



「も~、オレ、遥先輩の相手してる暇ないんス!」



オレは再びプリントに向き直る。



数字が羅列された計算プリント。正直、全く分からない。そもそも、日本人にアラビア語を求めることが間違っていると思う。……いや、数式を漢数字とかで書かれたら余計分からないが。



しばらく黙ってオレが問題を解くのを眺めていた先輩だったけれど、不意にトントン、と人差し指で机を叩いた。



「なんスかもう~」



文句を垂れながら顔を上げると、先輩は呆れたように苦笑いを浮かべる。



「黄瀬。半分は間違ってるよ」



「え、嘘っ?!」



「残念ながら嘘じゃないんだなあ、コレが」



遥先輩はオレの筆箱から勝手にシャーペンを1本取って、問題番号の上にマルとバツを付けていく。



遥先輩がさっき言ったように、ここまで解いた12問の内6問にバツが書かれた。



「もうオレお手上げっスよ~」



机にだらっと突っ伏す。小さく笑って、遥先輩はオレの頭をポンポンと撫でた。



「黄瀬は単純な計算で失敗してるんだよ。例えば……こことか、2×8が18になってる」



遥先輩が指差した問題に視線を向ける。確かに、最後の最後で2×8=18になっていた。



「後、ここは……」



1問1問、オレのミスを丁寧に述べていってくれた遥先輩。こんなオレでもちゃんと分かるような教え方だった。



「……そういえば先輩、成績良いんでしたっけ」



遥先輩のおかげで全ての問題を解き終えることが出来たのは、昼休み終了の15分前。絶対この時間中には終わると思っていなかったから、かなりの感動を覚える。



「まあまあよ」



嘘だ。前に主将が、遥先輩は常に学年で1桁に入るって言ってた。……それとも、遥先輩にとっての1桁はたかだか『まあまあ』なのか。



「……もうすぐ終わるね、昼休み」



ふと教室の時計を視界に入れた先輩が席を立つ。



「ありがとうございましたっス、遥先輩!」



先輩に続いてオレも席を立つ。扉の所まで見送って頭を下げると、遥先輩は「おう、どーいたしまして」とオレの頭を撫でた。



遥先輩の手は温かい。いつもふわふわとオレの頭を撫でてくれる。



「じゃ、また放課後ね」



「はいっス!」



ぷらぷらと手を振って、遥先輩が背を向ける。



オレは先輩の姿が見えなくなってから、自分の席に戻ろうと踵を返した。



そこではたと、1つ、思い出す。



「『また放課後』、か…………」



――その台詞を言えなくなる日は、そう遠くない。





*





2人共、恋愛感情は抱いていません。あくまで良い先輩、良い後輩。



遅くなるかもしれませんが、残りのキセキの世代+灰崎君+虹村さんをお相手にした続編を書きたいなあ……。



しかしあくまで赤司君メイン。←ここ重要((





テストも後1日で終わりです!



それが終われば修学旅行……でも正直それより、黒ラジの水谷さんゲスト回配信が楽しみでなりません。←



明日は遂にえぐぅの誕生日!! なので多分、テストが良かろうと悪かろうとニヤニヤしていると思います(*^m^)笑





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凜逢


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生きてるよ!【追記あり】
2018/04/17 5:35:44 凜逢 2

* 占ツクを引退して以来こちらにもほとんど顔を出せていなかったのですが、...


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2016/10/31 10:25:28 凜逢 1

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