[小説]そんなのしたって、俺は落ちない。
ファンタジー よくわからない世界設定 フィクション最高ランク : 3 , 更新: 2018/08/16 3:03:00
*ただの思い付きで、自己満*
女子しかいないところに、一人の「男子」がやってきた。
「男子」と言っても見た目的に言えば高校生ぐらいだ。
顔は普通にかっこよく、身長も170cm後半と言ったところ。
焦げ茶色のショートカットには少し黒が入っている。
肌はそこまで焼けてもないし、白肌とも言わない丁度いいくらいの肌色。
ざっと言うと女受けできる男子。
優しくて気さく、気配りも出来るし面白い事を言ったりと天然なところもある。チャラける時はそうだけど、真剣になった時は漠然とかっこよくなる。
とまあ、こんな男子を見逃さない女子が居る筈がない。
この男子 ー樹(いつき)ー はたちまち女子の間で人気者になった。
しかし、すぐに人気になった訳では無い。
今まで女子としか触れ合ったことなかった彼女らには未知の生物だった。
何を考えているのか、どういう性格なのか、怖くないのか…色んな疑問が彼女らは抱いていた。
だが、彼女らがそんな事を考えていると一ミリも感じなかった樹は積極的に彼女たちに話しかけたり、手伝ったりしていた。
そんな行動に彼女たちは心が魅かれていき、開いていくようになった。
そして、彼女たちは樹を「好き」になった。
彼も彼で、どんどん友達を作っていった。
色んな人に見せる笑顔には裏が無く、まっすぐキラキラしていた。
そんな彼の笑顔に落ちる人も少なくはなかった。
そして、「好き」という気持ちが一定でそれ以上膨らまない人もいれば、「好き」が膨らんでいった人もいる。
そういう人たちは周りを警戒し、威嚇する。樹と一緒に居る時は可愛い女の子を演じたりしていた。
しかし、そういう子は彼に嫌われていた。
彼もそんなに鈍感ではない。皆が楽しく暮らせればいい、それだけを彼は願っていた。
だから、仲間には嫌な態度をとって、自分だけには甘えた態度をする女子を嫌うようになった。
***
ここの女子はいくつかのグループに分かれていた。
その中でもある2つのグループのリーダーらが一際美しく、また可愛かった。
一人を佐友里といい、もう一人を優里奈と言った。
前までは彼女らはとても仲が良く、女子の中では「姉妹」と呼ばれるほどだった。
しかし、それは樹が来てから急変した。
表面上は仲良しだが、内面上はどす黒くなった。
それは、二人が樹に一目惚れしたからだ。
「姉妹」と呼ばれるほどだから好きなタイプも似ていた。それに当てはまったのが樹だったのだ。
佐友里は誰よりも美人で大人だ。冷静に物事を判断し、それに沿った言動をする冷静沈着な人。
優里奈と喋る時は聞き側だ。
優里奈は誰よりも愛嬌があり、可愛らしい。パッと思い浮かんだらすぐ実行する猪突猛進タイプ。
佐友里と喋る時は話す側だ。
性格が眞反対な二人が今まで仲良くできたのが凄い位だろう。
だから、この二人が対決しそうなのは誰の目にも見えているため誰も驚かない。
しかし、恐れられているのは、彼女らが率いるグループはどこのグループよりも大きいということだ。
グループ同士が対決すると、周りにも被害が及ぶ可能性があるからだ。
***
樹「佐友里ー、手伝うよ!」
いきなり言われて肩が揺れた。同時に持っていたものが落ちそうになった。
私を見つけた樹は駆け足でやってくる。それがまるで犬みたいで、ちょっと可笑しかった。
佐「ありがとう。じゃ、半分持ってくれる?向こうまで運ぶの」
樹「了解了解」
そう言いながら私が持っていたものの2/3を彼は持ってくれた。
樹「って、ゲッ。佐友里あんな遠いところまで一人で運ぼうとしたの?!」
佐「あー、うん…手伝ってって言おうとしたら皆忙しそうだったから...」
樹「ふーん。でも、こんな重いものを一人で持つなんてダメだよ。そんな時は俺を頼ってよ。大体暇だからさ(笑)」
佐「あはは、それ自分で言っちゃダメでしょ(笑)
...ありがとう、その時はよろしくね」
樹「おう!」
そんな会話をしているとあっという間に目的地に着いてしまった。
(もうちょっと話したかったな…)と思いながら横目で彼を見た。
私の視線に気づいた彼は首を傾げると、照れくさそうに笑った。
樹「何こっち見てんだよ(笑)」
佐「別に...」
樹「まあ、良いけど。じゃ、仕事は終わったし他の奴らの手伝いしてくるから、じゃな!」
佐「え、ぁ...」
樹「?どうした?」
振り向いて彼は問いかけてきた。
行ってほしくない、ここに居て。他の人の手伝いなんかしないで、私だけを見て。私だけの樹にしたい。
だけど、そんな欲望は口にもできないまま、貼り付けた笑顔を彼に見せた。
佐「ううん、なんでもない。お手伝い、頑張ってね」
樹「おう、サンキュー!」
自然に笑顔を作った彼は眩しくて、少しだけズルいと思った。
***
優「いーつきっ!」
樹「おぶっ...ったぁ、いきなり抱き付いてくんなよ、優里奈」
優「えへへ、ごめんごめん。ところで、私とお茶しながらお喋りしない?」
彼の身体から離れながら言う。
樹「うーん、でも他の奴の手伝いしに行かなきゃ...」
優「ちょっとだけ!あんまり体動かし過ぎると倒れちゃうよ?」
樹「うーん まあそれも一理あるか。じゃ、ちょっと休憩しようかな」
優「やったー!」
戸惑っていた彼だけど、「ちょっとだけなら」という事で私とお茶をしてくれた。
さっき、佐友里の手伝いをしていたのを見かけた。二人並んで楽しそうに喋っている姿を見て、羨ましいと思った。
だから、本能が「なら、私たちも二人きりになろう」と言った。
私の部屋で二人きり。初めて入った樹は緊張しながらもきょろきょろと周りを見渡しながら「すげー」とか「かわいい」とかを連呼している。
そんな彼を可愛いと思ってしまい、ちょっと笑ってしまった。
優「お茶って言ってもジュースとかもあるけど、何が欲しい?」
樹「あーオレンジジュースとかある?」
優「あるよ~ちょっと待っててね」
オレンジジュースか…可愛いな~。ジュース系が好きなのかな。柑橘系が好きなのかな。疲れてるからこれにしたのかな。
自分の分と彼の分を注ぎながら、そんなことを考えてしまう。
ストローを指して「はい」と言って渡す。彼はすぐさま口をつけた。そんなに喉、渇いているのかなぁ。
樹「っあ~うめぇ!」
優「おじさんみたい(笑)」
樹「はぁ⁉まだぴちぴちの17ですぅ!」
優「え、17だったの⁉」
樹「え、それどういう意味?本当に知らなかった系?バカにしてる系?」
優「知らなかったに決まってるでしょ!」
樹「ふはっ、良かった。バカにしてるなら俺、優里奈嫌いになるところだった」
優「ちょっと、怖い事言わないでよ~。さすがの私でもそこまでは言わないよ?」
口ではそんなこと言ってるけど、一瞬ヒヤリとした。ちょっとだけ、内心ではバカにしたからだ。
優「そ、そう言えばさ、樹ってジュースが好きなの?」
樹「ん?まあ、ジュースは基本好きだよ。でも柑橘系が一番好きかな。オレンジとか、グレープフルーツとか、レモンとか。なんで?」
あ、当たってた…‼
優「いや、お茶を頼むのかなーって思ってたら意外な回答だったからさ」
樹「あは、そうだったの?まあ、お茶も好きだよ。麦茶は冷たくて美味しいから夏によく飲むし、緑茶は温かい方が美味しいから冬によく飲むよ」
優「へ~そうなんだ。私は年中麦茶かなー。温かい麦茶も結構美味しいよ」
樹「ふーん、良い情報貰った!試してみる...ってなんでニヤニヤしてるの...」
あ、顔に出てた?
て、そんな引いた顔しないで。
優「知らない樹のこと沢山知れて嬉しいなぁ~って思って」
ニコニコしながら言うと、樹は照れたのか恥ずかしいのか顔を赤く染めた。
優「あれ、樹くんは顔赤くしてどうしたのかな??」
ニヤニヤしながらいじると「もう、うるせーッ」と言いながら残りのジュースを飲みほして、部屋を出ようとした。
あれ、いじりすぎたかな...。
少し後悔していると、ドアを開きながら樹がこちらを振り向いた。
まだその顔は赤みが残っていた。
樹「ジュースありがと、今度奢る。良い休憩になったよ、じゃな!」
それは疾風の様に見えた。
部屋に彼はもういない。
それだけが寂しかったが、彼の「良い休憩になった」という言葉が私を温かくしてくれた。
「かっこよすぎるよ、ばぁか」
今度は私が赤くなったみたいだった。
***
優里奈のとこで休憩をしてから、外に出た。
手伝う人いるかな~と思いながら辺りを見回す。
佐友里と優里奈が俺のことを好きなのは知っている。
だけど、どっちがアピールしてこようが演技してこようが俺にはお見通しだった。
不意打ちもあったけどさ。
けど、先に行動した方が勝ちだと思う。
そりゃ、向こうは俺からしてもらいたいらしいけどさ、そしたら、絶対相手方からブーイングみたいなの来るじゃん。
でももし、向こうからして、その子にブーイングが起きる時は俺が守ってやるよ。それが、男ってもんだろ。
それと、卑怯って言葉は好きじゃない。
自分の気持ちに向き合って、正直になって、勇気を出して行動した方が、真実の愛を持っていると俺は思う。
だから、
「落としたければ、自分から行動しろっての」
空を仰ぎながら小さく呟いた。
*fin*
ただの自己満。
思い付き。
終わり方がどっか逝った。
見にくい。
なんか感想くれたら嬉しいです!←
では👋
おお、すごい!
終わり方って難しいよね…
だけど、なんか続きが気になるって感じで
おわってたからすごくいいと思う!!
natsumikan0610
2018/08/16 3:46:50 違反報告 リンク
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