五十音図の豆知識

豆知識 五十音図
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※超長文注意※


久しぶりに浮上していきなりこんな話もあれですが、五十音図の豆知識をここに載せておこうかと思います。



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皆さん何気なく、小学生の時か何かに、「五十音図」を見た事がある人がほとんどだと思います。

五十音図の順って、ただなんとなく昔の人が並べた訳ではなく、実はきちんと、とてもシステマチックに並べられているんです。
この場で、その並び方の法則についてお話ししたいと思います。









まずは、五十音図の成り立ちや基本知識についてお話しします。

そもそも、五十音図は平安時代に作られた、とされています。
平仮名が平安時代に作られたのですから、必然的かと思います。
ちなみに「いろは歌」も同じ頃だと言われています。

※いろは歌は

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑいもせす

という文字の並びですが、

色は匂へど 散りぬるを
我よ誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 衛もせず

という和歌になっています。(和歌に関しては諸説あり)


突然ですが、皆さん、五十音図を一通り書けますか?
いや、決して見下している訳ではありませんよ!
ただ、必ず「ここはどう書けばいいんだろう」と迷う所が出てくるはずなんです。
少し考えてみてください。








































多分、ヤ行とワ行の所が迷うポイントだと思います。
ヤ行を「や ゆ よ」とする人と、「やいゆえよ」とした人のだいたい2パターンだと思います。
ワ行に関しては、「わ を ん」とした人もいれば、「わいうえを」として、「ん」を別にしたという人もいるのではないでしょうか。

これ、時代によって答えが変わります。
現代の五十音図なら、ヤ行は「や ゆ よ」、ワ行なら「わ を」として、「ん」は別ものにするのが、一般的な答えです。

「ん」という文字は、実は、平仮名が生み出された当初は存在していません。
音声は存在していたと思います、が、文字は開発されず、後々付け加えられたものなんです。
古典の授業でも、「ん」という文字を使っている古文はあまり見かけないはずです。
少なくとも、平安・鎌倉時代の文学はそうです。代わりに「む」を使っていますね。

古文で出てくる文字といえば、今ではあまり見ない文字もありませんか?

先程のいろは歌にも打ち出しましたが、「ゐ」や「ゑ」といった文字です。
これらの文字が、実は平安時代辺りのワ行に入ってくるのです。
つまり、現代ではなく中代辺りでは、ワ行は「わゐ(う)ゑを」になります。
ただ、既に同じような発音として「い」や「え」という文字が既に存在していたため、段々廃れていってしまった、というわけです。
ヤ行に関しても同じような事です。
発音としては「や(い)ゆ(え)よ」として存在はしていたけれど、同じような発音の文字が既にあったため、文字として残らなかったのです。



さて、現代の五十音図に戻りますが、五十音図を縦書きでイメージしたか、あるいは横書きか、それも、右上から始めたか左上から始めたか…
実は正しい並び方、というのがあります。

結論として、縦書きで、右上から始めるのが正しい並び方です。

なぜかというと、これは五十音を発音する際の口の中の状態が関係しています。

五十音図は大きく3つに分けられます。
①母音(ア行)②子音(カ〜マ行)③例外的(ヤ〜ワ行、ン)

日本語の発音というのは、例えば「か」を発音する際は、[ka]というように、子音+母音で成り立っています。
①は言うまでもなく、その基本音声の母音の行ですね。

②のグループですが、この規則性を話す前に…
英語の授業で、どこで発音するか、という解説材料として、よく、横顔の断面図が用いられていませんか?
thの発音は、歯と歯茎の間に舌を付けて息を吐く…それを図にしてよく説明されているかと思います。
あの断面図、私たちから見て必ず左を向いているんです。

だから何なんだ、と思われるかもしれません。
しかしその向きが、「五十音図の正しい並び方」に繋がるのです。

言い忘れていましたが、子音というのは、舌や唇の妨げによって出る音の事です。
例えば、「た」は、一旦舌を上の歯か歯茎辺りに付けてから発音しますね。
舌打ちする時はタ行の子音の発音場所と似ていると思います。

実際に発音してみるとわかりやすいですが、試しにそれぞれの行のア段(かさたなはま)を発音してみてください。
どこで発音しているかを意識しながらやってみて下さい。







どうですか?
結論から先に言ってしまうと、発音する場所が段々喉から口先に移っていっているんです。

ただ、「ハ行は奥の方で発音するから段々移っているとは言えない」と思われる方がいるかと思います。
これは、現代の発音だからそのような現象が起こっているんです。

五十音図の基礎知識の話の際、五十音図は平安時代辺りに作られた、と言ったかと思います。
実は、その当時、ハ行の発音が現代とは違うのではないか、という研究がなされています。
今、よくテレビに出演している金田一先生のお父さんの研究です。

平安時代、ハ行は「ファ フィ フ フェ フォ」と発音されていたのでは、と言われています。
口先を尖らせて息を吐き(口笛の要領です)、その後母音を発音するんです。

これで、発音する場所が徐々に唇へと移っていることの辻褄が合います。

先程の断面図の話に戻りますが、顔が左を向いていると、1番奥の喉が右、1番先の唇が左に来ます。
カ行からマ行の発音場所は、喉から唇へ移動していましたよね?
喉から唇、つまり断面図の右から左へと移っているわけです。
これが、五十音図を右上から書く理由です。
実は、発音場所の順番だったんです。

③の例外的グループですが、これはヤ行やワ行の文字の不足が原因でこのグループに入っていると考えられます。
ではラ行はなぜこのグループなのでしょうか。
発音場所で考えれば、タ行やナ行に似ているので、これまでの規則だと、その辺りに入る、と考えるのが普通です。

例えば、しりとりをする時、「これが来るとなかなか簡単には思い浮かばない」という文字はありませんか?
主にラ行の文字が来てしまうと、途端にしりとりを続けることが難しくなると思います。
「る」が来た時はだいたい決まって「ルビー」と言いますが(言いますかね?)、その後にまた「る」が来ると、少し考えるのに時間が必要になると思うんです。

これは、ラ行で始まる言葉というのが極めて少ないからです。
国名ならまだあるかもしれませんが、それ以外、カタカナ語も無し、日本語のみ、という制約をつけるとどうでしょう。
すぐには思い浮かばないはずです。

なので、あまり利用しない文字、として、例外的なグループの仲間入りをしているんです。

そして、この③グループの中(ヤ〜ワ行、ン)でも、発音場所が、奥から先へ移動しています。

このように、五十音図はとても構造的な作りになっているんです。




長い文章になってしまいましたが、どうだったでしょうか。
もし、わかりづらい部分があったらすいません。

あくまで、私が大学で学んだものを紹介したものなので、先生方によって見解が異なる場合もあります。
絶対にこれが正しい!とは言い切れません。
ですから、この記事を書いておいてこんな事を言うのもですが、全て信用はしないように。
ちょっとした豆知識として、「へぇ〜、そうなんだ」と思っていただくだけで結構です。

では、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

岩塩


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